2012年1月29日

The Hamlet of Tyranny (2)

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The Hamlet of Tyranny
(1) (2) (3)

原文:/tg/,a 4chan.org gaming board. 筆者不明.
http://dfstories.com/the-hamlet-of-tyranny

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(2)

要塞は絶望していた。
幾人ものドワーフがこの闇の中で自殺し、
他の生存者達もほとんど無気力状態になっていた……1人を除いて。

その1人であるSilは、この地に入植した7人のうち最後の
生き残りであると同時に、優れた彫刻師でもあった。
このあと数カ月、彼は死んだ仲間達の画を
ひたすら要塞の壁に刻み続けた……。

希望は潰えたかに見えた。
しかし、The Hamlet of Tyrannyの運命はまだ終わってはいなかった……。

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深い悲嘆に沈み続けるうち、Stuvokの心は死者の魂に開かれていた。
そしてついに、死者の魂は彼の心に現れることとなった。
今や彼の精神はPossessed Mood(※1)に陥って、
監禁された工房の中で飲まず食わずの一心不乱となり、
そして彼は近くにあった素材で一振りの剣を作った。

Endless Death of Tears――アーティファクト級(※2)の剣であり、
ガラスを持ったドワーフが装飾として彫り込まれている。
皮肉にも、ガラスは殺された彼の妻の商売道具だった。

※1:Moodは一種の精神異常で、こうなったドワーフは工房に張り付き
必死になってアーティファクトを作り上げる。
もし作り上げられなかった場合、治療不可能なレベルで発狂してじきに死ぬ。
※2:アーティファクトはユニークネームを持つ。
また通常の3倍ほど強力になる。
あとこんなに酷い名前はめったにない……。

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この時まで、友人は地表に溶岩を流して何もかもを終わらせるつもりでいた。
しかしこのアーティファクトを見た時、彼の首ヒゲが彼を覆い、
Doken,ドワーフ達、ドワーフの王の復讐をするべきだと理解した!
そして俺にとっては有難い事に、彼は諦めなかった!

それから彼は要塞を慎重に、かつ可能な限り発掘し、
要塞の機能を小さな一角に移動させた。
全てのレバーがトラップに接続され、全てのドワーフ達は武装し、全ての準備が整えられた状態で、
彼は俺のために一時停止していたゲームを再開した。

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まず数人のドワーフで洞窟の底への決死のランを行い、洞窟を崩落させた。
これによって上の岩屑を下に落とし、デーモン達を要塞内部に流しこむための大穴を空けた。
更に数人のドワーフがデーモンの群れに向かって果敢に撃ちまくるが、
彼らは真の計画を成功させる為の、必要な時間を稼ぐための餌にすぎない。

そして最後に、要塞のある山全体を崩壊させるレバーが起動され、
落下した大量の瓦礫がかつてドワーフが食事をしていた美しいホールの天井をぶち抜いて
攻め寄せたデーモンの半数近くを抹殺した。

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崩落トラップの後、ブレードトラップの敷き詰められた回廊を
生き残ったデーモン達が計画通り1列になって突き進んできた。
だが何体ブレードにミンチにされてもデーモンの勢いは止まらなかった。
”彼”もまだ生き残っていた。

悪魔Ashmaliceは必殺の崩落を回避しただけでなく、刃の回廊をくぐりぬけ、
水流トラップの仕掛けられた無数のチェンバーを飛び越え、
要塞の中を炎で焼き尽くしながら突き進んできた。
そしてAshmaliceと幸運なフロッグデーモンの一隊が最終防衛線に到達したのだった。

ここまで生き残った僅かなドワーフ達も更に数を減らした。
この防衛戦での死者のなかにはStuvokも入っていた。
彼の復讐は叶わなかった。
生き残りはたった2人――彫刻家のSilと、伝説級の剣士かつ軍団長のDanekenである。

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Danekenの力はStuvokと同等、いやそれ以上だった。彼はドワーフ達の軍神だった。
長い職歴の中、単身でゴブリンとサイクロプスのSiegeを撃退した事もあるし、
ドラゴンを素手で絞め殺したこともあった。
いま彼は、死んだ友の残したアーティファクトの剣を握り、怒りに燃えていた。

地下要塞の一角にChasm(訳注:底なしの大穴)があり、その上には1本の橋が渡されている。
橋はあとで拡張され、住宅開発計画のために使われるはずだった。
だが今や開発計画は潰え、1本の橋だけが残っている。

Daneken達はその橋の縁でデーモン達を待ち構えた。
これがThe Hamlet of Tyrannyの最期となるだろう。
だがそう易々と終わるものか。

(3)に続く


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